それでもわたしは生きている

正義のヒーロー


私が拉致される時、マサトさんは…



「自分あの子の彼氏やろ?一緒に乗って行く?」

「…イイデス…」

「クックッ!ほんならあの子だけ連れて行くで?ほんまに乗らへんのん?」

「…ハイ…」

「クックックックッ!情けな!ほなな!」



車が発進するのを見てるしか出来なかったマサトさんは、すぐに走り出した。

とにかく走った。

そして、駆け込んだのはそこから1番近いであろう派出所だった。

思い切りドアを開け放ち、ド叫んだ!

「おまわりさん!!女の子が連れて行かれた!!」

「あん…?あ~、ちょっと待っといて!順番な、この人も酔っ払って財布落としはってな」

「そんなん後や!はよ!はよ捜して!」

「おい!兄ちゃん!ワシの財布はどうでもええんか!」

「おまわりさん!頼む!はよ捜して!女の子が車で拉致されたんや…はよ!取り返しのつかん事になってまう!」

「…拉致!?車で拉致!?」

「そうや!早く!車のナンバーは覚えてるから、早く助けに行って!」




マサトさんの必死な思い。

自分の目の前で、今の今まで自分と話してた女の子が…

危ないから送るよと言って、一緒に歩いてきた女の子が…

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