それでもわたしは生きている
新しい出会い
16歳になった私は、地元の茶店でウェイトレスのアルバイトをしていた。
ずぅっと前からお互い顔は知っていた。
でも言葉を交わしたのは、私の働く茶店に別の先輩と遊びに来た時だった。
「ユウカ!コイツ知っとぅやろ?ナオキ。めっちゃ女癖悪いから気ぃつけや!」
「アホか!悪ないわ!ユウカちゃん、またお茶飲みにくるわな!」
「はぁ…どぅも…」
私が16歳でナオキが18歳。
これが、私の一生を終えるその時まで、忘れられない出会いとなる。
それから度々、ナオキは店に顔を出すようになり、少しずつ2人で遊びに出かけるようになった。
何回目かのデートの帰りに、とうとう口説かれた。
「付き合おうや!」
ナオキは自信満々だった。
「いやや!」
「!!え?…なんで?」
やっぱり…
「だって、私知ってますよ!この1ヶ月の間にトモコ先輩とナナコ先輩にも付き合おう!って言ったんでしょ?」
「は?いや…、言うたけど…2人共オレのツレと付きおうてんねんから、冗談ってわかるやろ?」
「冗談でそんなこと言うんですか!?トモコ先輩、マジで彼氏と別れよかって悩んでましたよ!」