それでもわたしは生きている

ナオキの子…

もしできてたら絶対産みたいのに、シンナーなんて…


どうしていいかわからず、どこでもいいから産婦人科に電話をした。


「はい、桜田婦人科クリニックです。」

「もしもし…あの……あの…」

「もしもし?どうしました?」

「あの…私…」

「…もしもし?いいですよ、ゆっくりで、ゆっくり話して下さい。」

「あの…私…生理がこなくて…でも…私…シンナーしてて…やっぱり赤ちゃんに何か影響ありますよね?」

「影響が絶対にあるとは言えないけど、可能性は高いですね、どちらにしても、1度ちゃんと検査に来て下さい。それと、もうシンナーはやめましょうね、元気な赤ちゃん産みたいでしょ?」

「はい…、はい…ごめんなさい…ごめんなさい…」

電話の向こうの優しい声と自分のバカさかげんに涙が出た。


こんなことになるなんて…

私は自分の好き勝手してきたことに初めて後悔した。



幸い、病院へ行く前に生理がきた。

なんだったのだろう…

だけど、私はあの日以来シンナーはやめた。

だって、元気な赤ちゃん、産みたいから!

< 36 / 212 >

この作品をシェア

pagetop