それでもわたしは生きている
親が子を2度捨てる時
弟も小学4年生になった。
蒸暑い夜…
満月の夜は何かが起るとよく言うが…
この日の月はどんな形をしていたのだろう…
この夜…
父は息子を捨てた……
バコッッ!!
「痛いよっ、お父さん!」
「お前が悪いんやろ!はよ寝ろ!」
いつもの親子ゲンカだった。
父は、そこにあった掃除機の棒で弟の頭を殴った。
その後、弟が頭の痛みを訴えても知らん顔で眠りについた。
弟も、痛さをこらえ眠りにつくしかなかった。
だが、血が止まらない…かなり強く殴れたのだ。
あまりの痛みに眠ることもできない…
真夜中…弟は再度父に痛みを訴える為、父の部屋を訪れた。
「お父さん…お父さん起きて!痛くて寝られへんねん。なぁ、お父さん起きて!血ぃ出てんねん、痛いよぉ、お父さん…」
「うるさいなぁ!えぇ加減にしろ!あっち行け!」
わずか10歳になるかならないかの子供にはまだ、頭からの出血が止まらない時、どうすればいいかなんて分かるはずもない。
この子供には、傷口を手当てしてくれる優しい手も、慌てて病院へ運んでくれる大きな手もない…
そんな子供がとった行動は…