それでもわたしは生きている
小さな事務所だった。
事務員らしき女性に誰もいない部屋に通され、待つように言われた。
しばらくして現れたのは、この事務所の課長と名乗るオジサンだ。
早速履歴書を見て絶句しているように見えるのは、私だけ?
アカンのやったらアカンでいいから履歴書は返してね。
私は心の中で呟いていた。
課長は珍しく私に興味持ったようだ。
少しずつ質問してくる。
そして、ひと通りの仕事に関する質問を終えた後、何故21歳で乳飲み子を抱えて独りで生活しているのか、遠回しに聞いてきた。
臨月の時にフラれました。
親元には帰れません。
その程度に答えた。
課長は席を外した。
随分待たされている。
あのオヤジ、私を待たしてるの忘れてるんちゃうか!
やっと戻ってきた。
課長は元の席に座り、話始めた。
「お待たせしました。ちょっと検討させてもらいました。正直、大変失礼ですが、この履歴書を見る限り、とてもウチで働いて下さいとはいえません」
はいはい、知ってますよ!
履歴書見た時点で答え出とったくせに、待たすなや!
クソッ!もうええ!
グレてやる!
私は、立ち上がる姿勢をとった。