悪魔は甘く微笑んで【恋人は魔王様 番外編◇ドリーム小説】
あ、しまった。
彼がゆっくりとその顔をあげて微笑むのを見て、質問のし忘れに気づいた私は付け加える。
「どうして私がキスシーンを見てきたって、分かったの?」
「それで質問は全て?」
「……多分」
「じゃあさ、帰りながら教えてあげるよ。
キヨミちゃん」
……!!
えーっと、質問また一つ増えたんですけど。
私は、素早く靴に履き替えてから彼を見た。
黙って微笑んで立っているだけなのに、何故だか、今すぐ散歩に連れて行って欲しくてたまらない子犬のように思えてしまうから、不思議。
実際、仄かに桜の香りが漂う外に出てみれば、彼は柔らかい茶色い髪を風になびかせながら、とても楽しそうに軽やかに歩くのだった。
「質問追加」
「どうぞ」
「どうして私の名前、知ってるの?」
「さっき、聞いた」
「私、名乗ってないわ」
「自分で名乗らなくたって、誰かが教えてくれるよ。
聞きさえすれば、すぐにね」
なんでもないことのように、あまりにもさらりと言うので、そういうものかなと思ってしまう。
彼がゆっくりとその顔をあげて微笑むのを見て、質問のし忘れに気づいた私は付け加える。
「どうして私がキスシーンを見てきたって、分かったの?」
「それで質問は全て?」
「……多分」
「じゃあさ、帰りながら教えてあげるよ。
キヨミちゃん」
……!!
えーっと、質問また一つ増えたんですけど。
私は、素早く靴に履き替えてから彼を見た。
黙って微笑んで立っているだけなのに、何故だか、今すぐ散歩に連れて行って欲しくてたまらない子犬のように思えてしまうから、不思議。
実際、仄かに桜の香りが漂う外に出てみれば、彼は柔らかい茶色い髪を風になびかせながら、とても楽しそうに軽やかに歩くのだった。
「質問追加」
「どうぞ」
「どうして私の名前、知ってるの?」
「さっき、聞いた」
「私、名乗ってないわ」
「自分で名乗らなくたって、誰かが教えてくれるよ。
聞きさえすれば、すぐにね」
なんでもないことのように、あまりにもさらりと言うので、そういうものかなと思ってしまう。