悪魔は甘く微笑んで【恋人は魔王様 番外編◇ドリーム小説】
「そして、さっきまでの全ての質問にはたった一言で答えられるよ」
「え?」
にこり、と。
人懐っこい笑顔が至近距離で私を襲う。
そうして、耳元でさくっと彼は言った。
「僕、悪魔なんだ」
……え?
私は、返す言葉が見つからなくて、彼の顔を仰ぎ見た。
ふわりと笑う柔らかい笑みは、出会ったときとなんら変わりない。
おどろおどろしい風が吹いてくるわけでもなければ、突然辺りの風景が一変するわけでもない。
先ほどと、寸分変わらない春の景色に彩られたまま。
「名前は、Giunone」
「ジュノ?」
「そう。で、用件はもちろん、人間界の偵察。
こんな感じで大丈夫?」
その鳶色の瞳は、まるで冗談めいたところがないので怖ろしい。
もう、エイプリルフールは過ぎちゃってるんですけど。
「冗談……?」
ジュノは、真っ直ぐに私の瞳を見つめる。
そうして、口調からおどけた色を一切排除して、静かに告げた。
「本当だよ、キヨミちゃん。僕、魔界から来た悪魔なんだ」
それは。
私の頭でなく、もっとどこか深いところにすとんと落ちてきて。
ああ、これが真実なんだと思わせるに十分な効果があった。
もしかしたら、催眠術にでもかかってしまったのかもしれないんだけど。
不思議と、私は目の前のジュノと名乗る美丈夫が悪魔なんだと、疑いもなく信じてしまっていたのだ。
悪魔の存在自体、今の今までこれっぽっちも信じてなかったって言うのに。
「え?」
にこり、と。
人懐っこい笑顔が至近距離で私を襲う。
そうして、耳元でさくっと彼は言った。
「僕、悪魔なんだ」
……え?
私は、返す言葉が見つからなくて、彼の顔を仰ぎ見た。
ふわりと笑う柔らかい笑みは、出会ったときとなんら変わりない。
おどろおどろしい風が吹いてくるわけでもなければ、突然辺りの風景が一変するわけでもない。
先ほどと、寸分変わらない春の景色に彩られたまま。
「名前は、Giunone」
「ジュノ?」
「そう。で、用件はもちろん、人間界の偵察。
こんな感じで大丈夫?」
その鳶色の瞳は、まるで冗談めいたところがないので怖ろしい。
もう、エイプリルフールは過ぎちゃってるんですけど。
「冗談……?」
ジュノは、真っ直ぐに私の瞳を見つめる。
そうして、口調からおどけた色を一切排除して、静かに告げた。
「本当だよ、キヨミちゃん。僕、魔界から来た悪魔なんだ」
それは。
私の頭でなく、もっとどこか深いところにすとんと落ちてきて。
ああ、これが真実なんだと思わせるに十分な効果があった。
もしかしたら、催眠術にでもかかってしまったのかもしれないんだけど。
不思議と、私は目の前のジュノと名乗る美丈夫が悪魔なんだと、疑いもなく信じてしまっていたのだ。
悪魔の存在自体、今の今までこれっぽっちも信じてなかったって言うのに。