悪魔は甘く微笑んで【恋人は魔王様 番外編◇ドリーム小説】
「あら、お帰り、潤(じゅん)くん」

なんて、声がキッチンから聞こえてるんだけど。

ええ、どういうことなの?
私は一人、玄関で呆然と立ち尽くす。

我に返ってキッチンに向かうと、食卓には当然のように四人分の夕食が準備されていた。

……私、一人っ子だよね?

「あら、キヨミ。お帰り。
早く着替えてきたら?」

お母さんは怪訝そうな顔で私を見る。
で、でもね?

怪訝そうな顔をしたいのは私の方よ!

慌てて二階へと上がる。

「お帰り、キヨミ」

たまに、お客様が来たときにだけ使うはずのその部屋から、当然のようにジュノは顔を出して笑って見せた。

「な、何よ。
これ、どういうこと?」

ジュノは得意げに笑顔を零す。

「だから、魔法なんだって。
俺は、キヨミと同い年の従兄弟。
両親が一年間ニューヨークで暮らすことになったので、こちらにお世話になってますー。
ちなみに、今日が二日目、ね?」

ね、って言われても。

えええええっ?

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