悪魔は甘く微笑んで【恋人は魔王様 番外編◇ドリーム小説】
5.carole
■carole(カローレ 『情熱、温かさ、夢中』)


翌日から、私の生活は一変した。
朝は、潤と一緒に登校。
もちろん、同じクラス。

学校では早くも二人は付き合っている、なんて噂されるし。
楽しいことこの上ない。

放課後は、もちろん、ピアノの練習に潤も付き合ってくれる。

こんなことなら、「子犬のワルツ」にでもして置けばよかった、なんて。
ちょっと選曲を悔やんでいるくらい。

ほら、あの軽やかな感じ。
潤にぴったりじゃない?

犬ミミとか付けたら、めちゃくちゃ似合いそうなんだけど。
どう、そのコスプレ企画?

もちろん、潤は悪魔なんだから、「悪魔的暗示」の方がある意味ぴったりなのかもしれないけれど。
正直、楽しすぎる日常の中で、彼が悪魔だって言うことは、忘れつつあった。


恋をすると時間が経つのも早くって。
あっという間に週末がやってきたの。

手を繋いで登下校したり、人目を忍んでキスしたり。
先生が黒板の方向いている間に、視線を交わしてみたり。

そういう、言葉にすると「他愛ない」の一言で終わりそうな一つ一つが。
いちいち、楽しくて仕方がなかった。

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