悪魔は甘く微笑んで【恋人は魔王様 番外編◇ドリーム小説】
呆気に取られている私を、潤が背中に庇ってくれる。
怒鳴っていた新山先生は、私たちには気づかないようで、捨て台詞を吐いたまま、足早に廊下を歩いていった。
「はぁ……っ」
わざと、なんだろう。
しばらくしてから田沢先生がドアから顔を出す。
「あ、今。
挨拶に来たら……」
聞かれてもいないのに、言い訳を始める私に、田沢先生は相好を崩す。
「お疲れさん。
どう? 調子は」
「うん、まぁまぁ、かな」
田沢先生は教師とはいえ、昔からの付き合いなので、つい、敬語を忘れてしまう。
「それは何より。
気をつけて帰れよーって、彼氏と一緒だったら問題ないか」
「そうですね」
疲れた顔で無理矢理笑ってみせる田沢先生から、それ以上何かを聞きだす気にはなれなくて、私はその場を後にした。
もちろん、潤はよく懐いた子犬の如く、私の傍に着いて来てくれる。
手を伸ばせば、吸い付くように指が絡んでくる。
ふっと、顔を横に向ければ、その。
優しい鳶色の瞳が、包み込むように私を見つめていた。
怒鳴っていた新山先生は、私たちには気づかないようで、捨て台詞を吐いたまま、足早に廊下を歩いていった。
「はぁ……っ」
わざと、なんだろう。
しばらくしてから田沢先生がドアから顔を出す。
「あ、今。
挨拶に来たら……」
聞かれてもいないのに、言い訳を始める私に、田沢先生は相好を崩す。
「お疲れさん。
どう? 調子は」
「うん、まぁまぁ、かな」
田沢先生は教師とはいえ、昔からの付き合いなので、つい、敬語を忘れてしまう。
「それは何より。
気をつけて帰れよーって、彼氏と一緒だったら問題ないか」
「そうですね」
疲れた顔で無理矢理笑ってみせる田沢先生から、それ以上何かを聞きだす気にはなれなくて、私はその場を後にした。
もちろん、潤はよく懐いた子犬の如く、私の傍に着いて来てくれる。
手を伸ばせば、吸い付くように指が絡んでくる。
ふっと、顔を横に向ければ、その。
優しい鳶色の瞳が、包み込むように私を見つめていた。