悪魔は甘く微笑んで【恋人は魔王様 番外編◇ドリーム小説】
「いいの、潤は知らなくても。
 ただ、その舞台が丁度1時から帝劇であるんだけど、その前に潤も一緒に食事しないー?って志保さんが言ってるの。
 付き合ってくれる?」

一瞬。
潤の表情が固まったのを私は見逃さなかった。

「それとも、何か不都合でも……?」

「ううん」

潤は何でもないかのように、ふわりと笑う。

「何よ、気になるわっ」

そりゃ、志保さんって可愛いし……。
その、まさか。

私はなんだか、頭の中に疑心暗鬼が回りだすのを感じた。

「行くよ、もちろん。
キヨミとはいつも一緒に居たいし」

柔らかい声がいつもの通り聞こえてきても、言葉のままに受け止めればいいのかどうか、よく分からなくなっていた。
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