悪魔は甘く微笑んで【恋人は魔王様 番外編◇ドリーム小説】
「じゃあ、どこに連れて行ってくださるんですか?」
クツクツと、彼は喉の奥で笑う。
もっとも、目はまったく持って笑ってないので、なんか心の奥が凍りつくようなアンバランスを感じてしまう。
「俺のことは気にするな」
そう言うと、また踵を返して歩き始める。
無理ですよ、無理。
道行く人どころか、車に乗っている人の視線ですら釘付けにしてますよ、アナタ!
自覚、ないんですか?
それを気にしないなんて、私には絶対に無理ですって!!
「ねぇ、潤?」
困惑した表情を、そのまま潤に向ける。
彼は肩をそびやかす。
「そういうことだからさ、キヨミ。
諦めて?」
いくら、穏やかな口調で言われたからって。
ハイソーデスカって納得してあげられるようなシチュエーションでは決してない。
「……でも」
し、と。
潤の人差し指が私の唇に押し当てられた。
「僕との記憶、消されたくないでしょう?」
その声が彼に似つかわしくないほど淋しそうな色を帯びていたので、私はそれ以上何も聞けなくなってしまった。
クツクツと、彼は喉の奥で笑う。
もっとも、目はまったく持って笑ってないので、なんか心の奥が凍りつくようなアンバランスを感じてしまう。
「俺のことは気にするな」
そう言うと、また踵を返して歩き始める。
無理ですよ、無理。
道行く人どころか、車に乗っている人の視線ですら釘付けにしてますよ、アナタ!
自覚、ないんですか?
それを気にしないなんて、私には絶対に無理ですって!!
「ねぇ、潤?」
困惑した表情を、そのまま潤に向ける。
彼は肩をそびやかす。
「そういうことだからさ、キヨミ。
諦めて?」
いくら、穏やかな口調で言われたからって。
ハイソーデスカって納得してあげられるようなシチュエーションでは決してない。
「……でも」
し、と。
潤の人差し指が私の唇に押し当てられた。
「僕との記憶、消されたくないでしょう?」
その声が彼に似つかわしくないほど淋しそうな色を帯びていたので、私はそれ以上何も聞けなくなってしまった。