悪魔は甘く微笑んで【恋人は魔王様 番外編◇ドリーム小説】
路肩に寄る、二台の車。
ざわめく人の声。
その合間を、
「放してくださいっ」
甲高い、女性の声が響いた。
「そうだね、少しお話しようか」
その後に続く男性の声が、私の良く知っているものだったので、私は慌てて振り向いた。
信号が変わって歩き出す人たち。
その向こうから、まるで、あぶりだした絵のように現れたのが、着飾った女性とその手を握っている潤。
「……潤?」
首を傾けると、潤は私と視線を合わせ一瞬ふわりと柔らかい笑みを浮かべた。
それから、想像もつかないような厳しい視線を女性に向ける。
「それとも、人を殺そうとしたくせに、何も存じませんって逃げるつもり?」
……殺す?
潤の唇から漏れたのは、非日常的に暴力的な言葉で、私はその場から動けなくなる。
「うっせぇなぁ」
その綺麗な女性(ひと)は視線をアスファルトに向けると、姿に似合わぬ暴言を、殊更低い声で吐いた。
ざわめく人の声。
その合間を、
「放してくださいっ」
甲高い、女性の声が響いた。
「そうだね、少しお話しようか」
その後に続く男性の声が、私の良く知っているものだったので、私は慌てて振り向いた。
信号が変わって歩き出す人たち。
その向こうから、まるで、あぶりだした絵のように現れたのが、着飾った女性とその手を握っている潤。
「……潤?」
首を傾けると、潤は私と視線を合わせ一瞬ふわりと柔らかい笑みを浮かべた。
それから、想像もつかないような厳しい視線を女性に向ける。
「それとも、人を殺そうとしたくせに、何も存じませんって逃げるつもり?」
……殺す?
潤の唇から漏れたのは、非日常的に暴力的な言葉で、私はその場から動けなくなる。
「うっせぇなぁ」
その綺麗な女性(ひと)は視線をアスファルトに向けると、姿に似合わぬ暴言を、殊更低い声で吐いた。