悪魔は甘く微笑んで【恋人は魔王様 番外編◇ドリーム小説】
授業が始まったけれど、頭の中がぐるぐるしていて、ちっとも耳に入ってこない。


志保さんは『魔王様』にとって大切な人。
『魔王様』は志保さんを救った。
でも、あれは突発的な事故だった。

だったら、彼は本当は何のためにここに来たの?


それが、私の中で渦巻いていた疑問だった。


でも、田沢先生が志保さんに告白した――という経緯があるとなれば話は変わってくる。

ある日、田沢先生とキスをしていた新山先生。
でも、その新山先生がある日怒って音楽室から出てきた―ー。

それは、志保さんに対する怒り、から?


だから、心配した潤が『魔王様』に連絡をした。

それで、彼は魔界からわざわざうちのキッチンにやってきた。


絡み合った紐があっさり解けるように、私の中で答えが見えてくる。

『分かっちゃった、潤』

私、探偵になれる素質あるんじゃないの?
ちょっと得意げな想いで彼の席に目を向ける。
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