悪魔は甘く微笑んで【恋人は魔王様 番外編◇ドリーム小説】
「うぅん、試してみるのも悪くないと思うけどー。
 年下には興味ないのよね、私。
 それに、生徒に手を出す気なんてないわよ。
 恋愛にしろ、嫉妬にしろ」

そこまで一気に言うと、新山先生は足を止めた。

こつん、と。
その指先で潤の額を弾く。

「だいたい私があんな小娘相手にすると思ってんの?
 勘違いも甚だしいわ。
 失礼よ、君」

「そうでしたね。
 スミマセン。
 どうしても、彼女のことが心配で。
 失礼します」

潤は曖昧に笑いながらも、丁寧に頭を下げた。

「若いって言うのは、本当。
 一直線で困るわねぇ。
 仕方が無いか」

新山先生はひとりごちると、コツコツと歩いて去っていった。


ふぅ、と。
私は安堵の息を吐いて、回れ右した。

とりあえず授業が終わるまで屋上ででも時間を潰そうかしら。


なんて、思ったそのとき。
後ろからまるで、子供がいたずらでもするかのように前触れもなく抱き寄せられた。
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