悪魔は甘く微笑んで【恋人は魔王様 番外編◇ドリーム小説】
耳元に注がれる、熱い吐息と甘言蜜語。

心が熱で溶かされると、身体の中心から熱い蜜になって零れ落ちていくことを、初めて知った。

私の身体はまるで。

彼の指先が、唇が触れれば。
演者の思うがままの、官能的な声をあげるだけの、淫らな楽器。


自由な意志で抱き合っているはずなのに、思い通りにコントロール出来ない全てに、悪くないじれったさを感じていく。

自分ではない、自分。
彼ではない、彼。


獣のように、と言っても。
獣の交尾なんて見たこと無いけれど。

とにかく。
服を着て日常生活を営んでいる分には想像できないような。

甘く濃厚、熱く濃密、光と闇の中を漂うような、淫らなひととき。


たった三分弱の音楽に、私の想いの全てを閉じ込めたように。
この一瞬に、二人の感情の全てを閉じ込めた。


そんな、初めての共同作業。
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