悪魔は甘く微笑んで【恋人は魔王様 番外編◇ドリーム小説】
「ユリア、サクラモチ、今すぐ食べたい」

「……えーっ?
 もっと桜見たいのにっ」

「来年も桜は咲くだろう?」

「そうだけど」

不服そうな百合亜の肩に、キョウはそっと手をかけた。
そして、形の良い紅い唇を百合亜の耳元にそっと寄せる。

「俺たちはずっと一緒に桜が見れる。
 そうだろう?」

「……え?」

キョウは戸惑いを隠せない百合亜の肩を抱いたまま、桜の下を後にする。
そうして、きよみの傍で足を止めた。

「桜の下で、きっと。
 夢は叶う」

低い声で、ただそれだけ言うとえっと驚いて顔をあげたきよみの瞳を見ることもなく、神社を出て行った。


すぐに指を鳴らして、ジュノを呼び出す。

風が吹いて、そこに、いつものようにジュノが現れた。
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