秘宝-戦い-第Ⅰ幕
「だったら…あたしたちは…何も知らずに国王を憎んでいたって…こと?」
「そうね」
「グループやこの辺の村を代表して謝罪するわ。…すいませんでした」
プライドの高そうなアズミが頭を深々と下げて謝った。
「わたしも…すまなかった」
私はハッとした。
木々の擦れ合う音が聞こえる…。
私は短剣に手をかけ、辺りを見渡した。
「どうした?」
ヒュウガが声をかける。
「しーっ!静かにして!!」
私はジッと耳を澄ませた。
なにかいる。
アレンとアズミも長剣を構えた。
スズランが肩に乗り、目を光らせる。
ササッ
黒い影が木々の間で動いた。
「いたっ!」
私は影が動いた方向を指差し、短剣を構え、じりじりと歩み寄った。
3人が続く。
なんや…
この女、こっちの世界に住んどる、アズミやアレンが気づかんかったのに…何でなんかおるって気づいたんや?
ヒュウガは疑問に思った。