秘宝-戦い-第Ⅰ幕

ザッザッザッ

足音が近づいてきた。

「木に登って!ここに突っ立ってたらすぐにやられちゃう!!」

私たちは近くの木に大急ぎで登った。


眼下は20人程の隣国の悪者たちで埋め尽くされた。

みんな灰色の服装で弓も灰色。
剣まで灰色だ。

「どうする?」

ユカが聞く。

「奇襲をかけるわ」
アズミが剣を持ち、下の様子を伺う。

「ダメッ!!」

「行くわよ」

私が止めるのも聞かず、アズミが言い、木から飛び降りた。

隊長らしき人の肩を蹴り、地面に着地する。


私は腰の短剣を抜いた。
長剣は背中に担ぐようにして持っている。


私も飛び降り、部隊の真ん中の人を蹴り、空中で一回転して着地した。


怒号があがる。


アレンとヒュウガも飛び降り、部隊と睨み合った。


アズミは長剣を構え、隊長と向かい合う。

隊長が動いた。

アズミは敏感に反応し、攻撃を交わした。

「やぁ!!」

長剣を振り降ろしたが、はずれた。

シュッ

アズミの耳元を剣が掠めた。

速い…
相手の動きは速かった。

アズミは再び、剣を振り降ろしたがまたはずれた。

< 38 / 67 >

この作品をシェア

pagetop