秘宝-戦い-第Ⅰ幕
「アズミッ!大丈夫?!」
私はアズミの傷口を見た。
結構深い。
ヒューッとスズランが飛んできて私の肩に乗った。
私は腰に巻いているウエストバッグから薬草を取り出した。
石ですりつぶし、それをアズミの傷口に塗った。
塗り終わり立ちあがったとき、突然、腕の痛みに襲われた。
さっきヘビに噛みつかれたところが射すように痛い。
「川で水汲んでくる」
私はそう言って返事も聞かずに小川へ向かった。
自分の腕をしっかり見ると、傷口が少し開いていた。
…さっき、激しく動いたからだろう。
小川に腕をつけると…
シュー
傷口から音が出て白い湯気のようなものが出てきた。
アズミがかけた黄色い水?
…でも今出てくるなんておかいしよね?
あれ、水分だし全部流れるか、奥までしみ込んだはずだから。
「痛い…」
スズランが険しい私の顔を和ませるかのように私の頬に温かい頭をすりつけた。
3人の気配がする。
私は慌てて立ち上がり、何事もなかったかのようにした。
「どうした?」
「なんでもないよ。喉乾いたから!」
納得した様子の3人。
…助かった。