秘宝-戦い-第Ⅰ幕
スズランが降下し、あたしたちは鳥から降りた。
「ありがと、スズラン」
ユカが言い、目の前の光景を見つめた。
あたしは話すことも出来ず…その場にへたり込んでしまった。
「嘘やろ…」
ヒュウガが呟き、壊れた家の中に入って行った。
ユカも続く。
アレンは黙って、あたしの傍に来て、向かいに座った。
「すまない…」
小さく謝るアレン。
「どうしてアレンが謝るの?」
「わたしは国王なのに…何も出来ずに…」
「謝る必要ないわ。これが…現実」
“これが…現実”
自分の言った、この言葉が心に深くのしかかった。
そう、これが現実なんだ…。