秘宝-戦い-第Ⅰ幕
「なんも…なかった。家は持ち出せるもんは全部持ち出されて、殆どもぬけのからや…」
「変な紙、見つけたの」
ユカが1枚の折りたたまれたきれいな紙を差し出した。
あたしは受け取り、開いた。
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しほくけ。
まらすそき。
ヒント…50音表書いてみよう→
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急いで走り書きされたような字で、そう書かれていた。
「しほくけ。…まらすそき??」
反対側からアレンが声を出して読んだ。
そして、ヒントに書かれてる通り、4人で50音表を地面に書いてみた。
紙を表を見比べたが、なにも分からなかった。
「意味、分かんないんだけど…」
「あたしにも分からないわ」
「俺もや…」
アレンはじっと紙を見つめ、眉をひそめた。
「ユカ…、この紙どこにあったんだ?」
「壊れたタンスの上」
「そのタンス、窓の近くにあったか?」
「うん。…だけど、何で??」
「この紙、新しいだろ?それに、文字もきれいなままだ。村の様子から、村がもぬけのからになってから少なくとも数か月は経っている。…なのに、こんな小さな紙が風にも飛ばされず、雨にも濡れず、残ってるっておかしいだろ?」