秘宝-戦い-第Ⅰ幕
「放してっ!!」
必死で抵抗するユカ。
「お前ら、なんだよ!!」
俺は怒鳴った。
「放してよっ!!」
バチンッ
「…った」
「黙ってろ」
俺が首をひねってユカを見ると、ユカの口元から血が出ている。
「やめてよっ!!」
アズミが叫んだが、男たちは慣れた手つきで俺たちの腕を後ろ手にロープで巻き、一繋ぎにした。
「立て。歩け」
男がロープの先端を持ち、俺たちは無理矢理、立たされ歩かされた。
4人は背中合わせの形で結ばれていたので、ヒュウガは後ろ向けに歩くことになった。
剣は取り上げられてる…
万事休すってやつだな。
それにしても…慣れた手つきでロープを巻き、武器を取り上げていた…。
アレンは疑問に思った。