秘宝-戦い-第Ⅰ幕
「お母さんは!?」
泣きながら、アズミが叫ぶ。
「火に入れば、会えるわ」
「許さない!!あんたを許さない!!私があんたをブッ殺す」
決意に満ちたアズミの怒りに燃える瞳に、アレンはアズミの本来の力を見たような気がした。
ザクッ
ザクッ
ザクッ
俺の手を縛っていた、ロープが切れた。
「まだ動かないで」
ユカが小さく、鋭く言った。
「殺す?やってみなさい。あなたたちは4人でロープに繋がれ、動けない。それでどうするつもり?」
「誰がロープに繋がれてるですって?」
ユカが勝ち誇った笑みを浮かべて言った。
「なに…?」
「残念でした」
俺たちは1列に並んで、アーシャン…いや、妖怪を睨みつけた。
「なに…お前ら!!」