【短編】Saint Valentine's Day.[続編追加]
「理人、私帰る。」


私は、立ち上がった。


「えっ?
ダメ。
てか、なんで?」


突然の私の行動に吃驚しながら、私の手を掴んだ。


「なんでって....
私、話しかけたのに無視するし。
それに、なんかいろいろ考えてるみたいだし....」


「それは....
男の事情。
だってよ。
家に呼んだら、なにもしない保証ないし。」


私は、呆れた。


だって、くだらないことだし。


その場の雰囲気があるじゃない。


そうしたからといって、嫌いになるわけないし。


私の自己責任でもあるし。


「理人は、一人で考えるんだね。
私がいいって言っても関係ないんだね。」


「そんなんじゃないよ。
ただ、そうなったらマジで手放せなくなるしさ。
束縛しまくるよ。」


その場の事じゃなくて、先のことを見てくれてたんだ。


ちょっと嬉しいかも。


「私、モテないから束縛する意味ないよ。」


「はっ?」


理人は、私の言ったことがありえないって顔をした。


「だって、私、告白とか全然されたことないよ。」


モテてたら、違うよね。


「マジで、全然なの?」


疑問みたいだね。


「うん。
高校2年の時に中学から仲良かった男子としかつきあったことないよ。」


「あぁ〜。
納得かも。
その元彼が阻止してたんだな。
でも、ありがたいかも。
真知の元彼が一人しかいないのは。」


理人は、なんか喜んでる。
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