【短編】Saint Valentine's Day.[続編追加]
「俺、驚くだけで挨拶できなかった。」


理人は、なんかショック受けてる。


「別に那智は、気にしないからいいよ。」


「イヤ、最初が肝心だろ?
これじゃあ、真知を嫁にする日が遠くなる。」


「よ、嫁って。」


恥ずかしいんだけど。


「でも、浮気とかじゃなくてよかった。」


理人は、ショックを受けてたと思ったら、安心してるし。


意味がわからない。


「理人?」


私は、不安げに理人の名前を呼んだ。


「同じ課のヤツがさ。
真知が男といるけど、フられたのかって、言われたんだよ。」


「フるだなんて.....
ありえないよ。」


「俺だって真知を信用してないわけじゃない。
ただ、絡まれてたらイヤだと思って急いだんだ。
けど、鍵を渡してたから。」


だから、不機嫌だったんだ。


「そっか。
普通は、鍵渡さないもんね。」


「けど、マジよかった。
ただ、やっぱり、挨拶が.....」


どうしても、そこがあれなのね。
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