ありがとう、
#1    あなた
あ、またいる。

放課後、自動販売機の前を通ると必ず私の目に入ってくるのはいつも一人。



「志乃~、声掛けなよー!」

そういっつも小百合には言われるけれど、今は私、これだけで十分。


「いいの。見てるだけで幸せだからね。」


それは嘘ではない。

けれど、まっさらな真実というわけでもなかった。


最近ハニーブラウンに変えたばかりの私の髪と、白と言ってしまっていいぐらいに色が抜けている彼の髪。


地味な私と、イケてる?彼。

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