ありがとう、
夢みたい。
彼がこんなにも近くに居る。


憧れだった彼が、私の前に居る。


「志乃、俺のこと好きでしょ?」


「・・・どうして?」

私の心臓がとくん、とはねた。


「俺が志乃を好きだから。」

さらっとそう言う彼の言葉はものすごく単純で、それでいて、なぜか温かかった。


「ハート型の雲、覚えてる?」


「うん。」


「あれ見たときの志乃の髪。天使の輪が綺麗だなって思った。」
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