ありがとう、
あのとき?
私が彼の冷たい瞳を見たあの日。

たしかに雲は流れていた。


ハート型の雲。


・・・彼も気付いていたんだね。


「さすがに、俺、うざかったかな?」

彼は苦笑いをしながら私の隣に座った。


「なにが?」


「毎日志乃のこと見るために自販機の前に行ってたの、ばれた?」

顔を赤くする彼の姿に胸が弾んだ。


同じだった。彼も、私も。


「私も、晃平が好き。大好き。」
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