バレンタインの奇跡
圭吾の胸に顔をうめて泣いていると、圭吾が覗き込んだ。

「返事は?」

「あのっ、ひっく。よろしくお願いしますっ。」


「良かった。
断られたらどうしようかと思った。」

「っ、断るわけないって、分かってたくせに~
うぅっ。」

私は頬をふくらまして答えた。

「俺だって、不安なの!
1年間、放ったらかしにしてたしな。」

「圭吾…。」


そっか、そうなんだよね。
私だけじゃない。
圭吾だって不安だったんだ。

< 26 / 29 >

この作品をシェア

pagetop