月と太陽の事件簿3/ツといえばカ
あたしは久保美和の調書を見た。
「何よりも『か』と口にしたことがその証拠だよ。メッセージを残す途中で被害者は事切れたんだ」
「途中、ですか…」
達郎は3人の容疑者の写真を順番に眺めてゆく。
「第1発見者の隣人は、容疑者たちとは面識があったんですか」
「いいや。写真を見せたところ、見覚えは全くないそうだ。それがどうかしたかい?」
達郎は無言を返した。
「達郎くん?」
岸警部は達郎の顔をのぞき込んで、その表情からある事を察した。
「日野」
警部の声と視線があたしに飛ぶ。
あたしは目を丸くした。
確認の意味をこめて自分を指さしてみる。
それに対し警部は大きくうなずいた。
周りを見回すと、捜査員たちは全員、あたしを見ていた。
あたしはもう一度、自分を指さした。
捜査員たちは全員、大きくうなずいた。
『なんであたしが…』
心の中でつぶやきつつ、あたしは立ち上がって会議室を飛び出した。
「何よりも『か』と口にしたことがその証拠だよ。メッセージを残す途中で被害者は事切れたんだ」
「途中、ですか…」
達郎は3人の容疑者の写真を順番に眺めてゆく。
「第1発見者の隣人は、容疑者たちとは面識があったんですか」
「いいや。写真を見せたところ、見覚えは全くないそうだ。それがどうかしたかい?」
達郎は無言を返した。
「達郎くん?」
岸警部は達郎の顔をのぞき込んで、その表情からある事を察した。
「日野」
警部の声と視線があたしに飛ぶ。
あたしは目を丸くした。
確認の意味をこめて自分を指さしてみる。
それに対し警部は大きくうなずいた。
周りを見回すと、捜査員たちは全員、あたしを見ていた。
あたしはもう一度、自分を指さした。
捜査員たちは全員、大きくうなずいた。
『なんであたしが…』
心の中でつぶやきつつ、あたしは立ち上がって会議室を飛び出した。