月と太陽の事件簿3/ツといえばカ
達郎はゴディバの箱をしばらく無言で眺めていたがやがて、

「ありがとう、レミ」

と、満面の笑みを浮かべた。

破顔一笑

(^ー^)ニッコリ

まさにそんな笑顔に、あたしの胸は一瞬高鳴った。

「ぎ、義理だからね」

顔が赤くなってないことを祈りつつ、あたしはそう念押しした。

達郎は大の甘党だから、チョコをもらって喜んでるだけなのだ。

そうに決まってる。

「あ…」

達郎の眉間に皺が寄る。

「今度は何よ」

「明日土曜日が14日という事は…」

「という事は?」

「今日は13日の金曜日じゃないか」

「で…?」

「いや、不吉なチョコになってしまうなーと思ってみたり」

あたしは再び崩れ落ちそうになるのを懸命にこらえた。

やっぱダメだコイツ。

「そんなこと言うんだったらチョコ返せ!」

あたしは達郎を怒鳴りつけた。





ついでに胸のトキメキも返せ!





『ツと言えばカ』END
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