罸恋 (ハツコイ)
初対面でこんなに自然体で…しかも楽しく話すなんて…

全く考えられない、程…
私達は近くのショットバーで盛り上がった。

真っ白い壁に囲まれて…
彼はビールを何杯もおかわりして。
ほとんど飲めない私はピザを頬張りながら…
浅いとりとめない話しで…
笑う、笑う…笑う。

「何してる人に見える?」と彼。
よくある服装だけど何故か個性的マニアックな雰囲気…。

あれこれ言っても、
なかなか…
当たらない。

人の年齢や職業、当てるのは割と得意。
で、かなり人に気を使う方で、会話の主導権はほとんどいつも回ってくる。
で、どちらかと言えば後で疲れる…。相手にはそうは映らないようだけど。

彼とは…
最初から調子が狂ってた…。

無防備で自然体で…リラックスしてた…、けど
決して私のペースでは
なかった。

どう見ても普通の会社勤めには見えず…

「カメラマン?」
「なんかの宗教家?」
「すねかじり?」
「保育士卵?」
あげく、
「もういいや、何でも…」

その日から…
私と彼は…

連続34日間、
会い続ける事になる。



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