短編集
鉛玉に散る命は儚く
体が熱い。
何故だろう?
手も、足も、動かない。
あぁ、そうか。
俺は、奴の銃弾で……。
少しだけ動いた手で、首にかけていたペンダントを握り締める。
必ず戻ると約束したのに。
待っている人がいるのに。
『生きて帰る』
この約束さえ、俺は、守れないみたいだ。
泣かせてばかりだった君を、やっと幸せにできると思ったのに。
また、泣かせてしまうのかな。
せめて、君だけは幸せに。
本当は、俺の手で幸せにしたかったけれど、
それは、無理みたいだから。
神様に会えたら、唯一人、君の幸せを願うから。
悪魔と契約して、君を不幸にする、全てのモノを滅しても良い。
この命が尽きようとも、
いつでも君を……
END