短編集
散らせた命の数なんて
また一つ、命が尽きる。
他でもない、私が手をくだした命。
彼は、最後の力を振り絞り、ペンダントを握り締めた。
大切なものなのだろう。
奪った命が、また一つ増えた。
殺した人数なんて、覚えていない。
彼も、私が殺した数多くの人間のうちの一人に過ぎない。
散らせた命の数なんて
覚えていたって仕方ない。
なのに、
何故?
人の命を奪う度、
私の心も死んでいく……。
さぁ、
次は誰を殺そうか。
END