素直なキモチ
「うわーっすごい暑い!!汗かいちゃった!!」


バレンタインの売り場は超満員。
女の子達の思いがこもるのか、すごい熱気につつまれていた。


「メイ?メイいる?」



人混みで見失ったメイをキョロキョロとさがす。


「律子っ!いたぁ〜」


メイはよれよれになった紙袋をかかえてふらふらと私に歩み寄る。



「ちょっとメイ、大丈夫?」


「駄目かも〜。少し休憩したい〜」

私もかなり体力を消耗したし、メイはつらいだろう。
「ならカフェで少しやすもっか」



途端にメイは笑顔になって、


「うん!」

といった。


うーん、本当に男ならたまらないだろうな…


なんてくだらないことを考えながら、メイと同じ建物内のカフェに向かう---

とそこに聞き覚えのある声がした。
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