魔王さま100分の2
思い出せば、幼い頃。
父に将来なりたいものを訊かたアイオネ。
「お嫁さーん」
と即答した自分が懐かしい。
「それはちょうど良かった」
その時、アイオネを優しく抱き上げて微笑んだ父親。
「アイオネが頑張って強くなれば、素敵なお婿さんがやってくるよ」
「そうなの?じゃあ、強くなるー」
そんな会話になった。
王国で貴族といえば勇者を大量排出する家系のこと。
当時、すでに勇者の力を発現させていたアイオネは、何の疑問もなく軍学校に入り、
父の言葉を信じて自分を鍛えあげた。