魔王さま100分の2
その勢いのまま、魔王さまは真上に放り投げられた。
「うにゃー」
お尻から落下するところを横抱きにキャッチされ、アイオネの隣に座らされる。
「反省しました?」
泣いたまま問うアイオネ。
魔王さまは、コクコクと頷く。
「うん。アイオネのその過去話を聞くたびに申し訳なくなる」
「だったら、次から気をつけてくださいね」
「うんうん。でも、今後の担当者はアイオネがずっといいですっていう手紙出したのは、私だけどね」
「ばかー」
魔王さま、再び大車輪。
2倍速。
まさか配属してすぐ、
王族どうしでしか開けてはいけないと謀られて、王国に提出してしまった封書がそんなだったとは。
「あやしい。あやしいとは思ったけど。その時の私には、中身を確かめる勇気がなかったあああああっ」
「ひいいいいっ、助けてーっ」