魔王さま100分の2
「はい、大至急、イアリミア議事堂に向ってください」
「議事堂ですね」
「はい、緊急会議です」
「分かりました、向かいます」
本当は何も分かっていないが、アイオネは軍人気質で即答した。
こんな夜中、それもこの都市の政治ではあまり歓迎されない勇者の自分を交えての会議。
ろくなのものではないと分かるが、それだけに急行する必要がある。
もしかしたら、ついにクビにしてもらえる時がきたのかもしれないと淡い期待も持つ。
「とにかく行ってきます、魔王さま」
……明日の朝までには戻れるだろうか?
クビになることを期待しているくせに、
そんなことを気にかけて、アイオネは門から離れた。