魔王さま100分の2
アイオネは、兵士達に連れられて船で議事堂に向かう。
島に残る兵士はいない。
船が海上に出ると、島は塔の中の魔王さまを残して無人。
代わりに、周囲の島や空中から他の魔法兵達が遠目の魔法を使って見張っている。
侵入者がいれば、連携して駆けつけ、包囲そして魔法攻撃で駆逐する。
……はずであった。
アイオネが島外に呼び出されてしばらく、無人の砂浜に堂々と立つ侵入者ふたり。
背の高いほうが乗ってきた小船を浜に固定すると、
背の低いほうがシャチの浮き袋をかかげて得意げに言った。
「人間どもめ、誰も攻撃してこないな。私の協力を受け入れるつもりとみた」
「今のところですけどね。キーヤとヘナが頑張ってくれているのでしょう」