魔王さま100分の2
「ふふふ、邪魔が入らなければしばらくここに住むか?」
「それは悪い冗談です」
シルキスは、塔の扉の前まできた。
「僕が傍にいるうちは、魔王さまには自由に外で過ごしてもらいます」
魔王さまに言うシルキス。
扉に手をあてる。
触れた感じでは、この扉は壊れていないようだ。
しっかり魔王さまを閉じ込める働きをしている。
魔王さまも扉に手をあて、同じことを確かめた。
「なるほど、今思うと閉じ込められるのはつまらんな」
扉を押して、魔王さまは笑顔になった。
「でしょう?」
シルキスは、魔王さまの手の少し上から扉を押し開けた。