魔王さま100分の2

魔王さまが言う。

「部屋はいいとして、肝心の私がいないようだが?」

「地下でしょう」

シルキスは答える。
塔のつくりが同じなら、魔王さまの寝室は地下だ。

「ふふふ、寝込みを襲うか?」

シャチを振って言う、魔王さま。

まだシルキスに抱かれたままなので、シャチの頭がびしびしシルキスの顔にあたる。

「無駄に下品な言い方はやめてください」

シルキスは言うが、魔王さまはますます楽しそうにシャチでシルキスを突く。

「さあて、ここの私はどんな寝姿だろうな?」

「こんなだけど?」

階段下から声がした。

薄い寝間着の胸元を指でつまんで見せながら、長身、黒髪の魔王さまが一段ずつ昇ってくる。

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