魔王さま100分の2
誰だ?
とは、今さら互いに訊かない。
魔王さまと魔王さま。
ひと目で、もうひとりの自分だと理解した。
シルキスに抱かれた魔王さまが、尖った歯をいっぱいに見せて言う。
「よう私、会いに来てやったぞ」
黒髪の魔王さまは階段を昇りきり、金の髪の魔王さまを見て言った。
「やけに小さい私だな」
「なんだと、こらーっ」
「魔王さま、自分達で喧嘩しないでください」
どうどう。
シルキスは、自分の魔王さまを抱きとめてなだめる。