魔王さま100分の2
「シルキス、降ろせ、こいつに口の利きかたを教えてやる」
「降ろしていいのですか?」
「早くしろっ」
シルキスは、魔王さまを降ろしてやる。
金の髪の魔王さまは、つかつかと黒の髪の魔王さまに詰めよった。
「…………」
床に降りて近づいた分、広がるふたりの身長差。
金の魔王さまは何か言おうとして、何も言わずにシルキスのところに戻ってきた。
「抱きあげろ、高くだっ」
命令する。
「こうですね」
シルキスは、自分の片腕に魔王さまを座らせて持ち上げた。
ちょうど目の前の魔王さまとつりあう位置に調整して、肘と肩を固定する。
金の魔王さまはシルキスの頭につかまり、やや半身になって黒の魔王さまに対峙する。