魔王さま100分の2
「ふんっ」
これでどうだと、得意げに鼻をならす金の魔王さま。
これで互角だという意味だろうか?
自分には、便利な従者がついているぞという自慢だろうか?
抱いているシルキスには分からない。
が、黒の魔王さまは羨ましそうにシルキス達を見た。
見たどころか、口に出して言った。
「いいなあ~」
「いいだろうっ」
成立する魔王さまどうしの会話。
噛みあう価値観。
シルキスの魔王さまは、それで満足したらしい。
持っていたシャチを黒の魔王さまに手渡す。
「土産だ。おまえにやる」
「これは?」
「浮き袋だ。水に浮かべると上に乗れるぞ。私とシルキスで試したが二人乗りも可能だ」
「おお~っ」
これで意気投合。
仲直り。