魔王さま100分の2
今も、キーヤとヘナがおそらく頑張って稼いでいてくれる貴重な時間なのだが、
「これは、お風呂で使えそうだ」
「いや、塔の水溜では小さいと思うぞ」
「ふふふふ、ここの風呂場は浴槽を大きく広げてあるのよ。これくらいなら余裕で浮かぶ」
「なに?それは興味があるぞ」
「では、一緒に入る?湯を沸かすのにちょっと時間がかかるけど」
「うむ」
とか、さらに緩い会話を続けている。
シルキスの好みの空気といえば、そうなのだが、このままだとキーヤはともかくヘナに申し訳ないので口をはさむ。
「あのよろしいですか?魔王さま」
「なんだ?」
「なあに?」
ふたりの魔王さまが同時にシルキスを見た。