魔王さま100分の2
ふたりに聞いてもらうつもりだったのでちょうどいい。
「お風呂の前に大事な話をひとつだけ」
「許す、早く言え」
「どうぞ」
「魔王さま、ここを出る気はありますか?」
シルキスは簡潔に訊ねた。
「そうだった。ここには、それだけを訊きに来たのだった」
金の魔王さまも、そうだ思い出したと手を叩いて黒の魔王さまを見る。
「出る気はないよ。アイオネが凄く困るだろうから」
黒の魔王さまは、あっさり答えた。