魔王さま100分の2
「ところで、そのアイオネはどうしたのかな?黙って君らを通すはずはないと思うけど」
黒の魔王さまが問う。
「彼女には、ここから離れたところの会議に出てもらいました。僕らは、彼女の留守を狙ってここに入らせてもらいました」
「いわゆる騙し討ちだ」
金の魔王さまが威張る。
シルキスが訂正する。
「討ってません。彼女は夜のうちには戻ってくると思いますのでご安心を」
「うん、ならいい」
黒の魔王さまは、納得した。
「でも、戻ってくるときはすごく怒っているだろうなあ」
「怒ってますか」
「確実にね」
黒の魔王さまは楽しそうに、そして自慢げに断言した。
──魔王さまと魔王さま 終わり