魔王さま100分の2

「これで、我々は君達魔族の条件を全て受け入れたと思っていいのかね?」

キーヤに訊ねる代表達の顔色も悪い。

余裕がなくなって、言葉遣いが少しぞんざいになる。

「ああ、礼の言葉が欲しいなら礼を言う」

そう、アイオネが呼び出される前に、魔族と人間の取引きは全て終了していた。

終了していたからこそ、アイオネはこの場に呼びつけられ、空になった島にシルキス達は堂々と上陸できた。

「確認しておくが、我々が見過ごせるのは魔王どうしの対面までだ。こちらの魔王を外に連れ出すことは許されない」

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