魔王さま100分の2

「島の外に見張りをつけているのだろう?ここの魔王さまが外に出たという報告はあったのか?」

「今のところはない」
「なら、約束は守られているということだ」

シルキスは、なんとか気を落ち着けて真っ直ぐ立った。

情けない姿を晒したと内心で悔やむが、本当に怒った勇者を目の当たりにしたのは、キーヤにとっても初めての体験だった。

キーヤの身近にいたシルキスは、憎々しいが常にキーヤの達の味方であったのだと、思い知らされる。

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